画聖・雪舟の終焉の地として、万葉の歌人・柿本人麿の終焉地として知られる益田市の歴史文化ゾーン「雪舟山水郷」の核。雪舟が益田で描いた国重要文化財「花鳥図屏風」をヒントに築庭された枯山水の八景園では松、竹、桜など四季折々の雅趣が楽しめ、一見の価値がある。館内では、雪舟・人麿・益田家ゆかりの資料や作品を常設。その他、雲谷派や現代日本画家の秀作日本画展も開催する。
収蔵品のご紹介
益田兼堯像
雪舟筆 重文
益田兼堯(ますだかねたか)は島根県益田の第15代益田城主で、大内氏と姻戚関係にあり、常に大内氏と行動をともにし、勲功のあった武将であった。図上に竹心周鼎(ちくしんしゅうてい、石見東光寺僧)の文明11年冬の賛があることから、この頃、雪舟は益田を訪問して、兼堯の品格の高い容貌を正確にとらえ、リアルに描いたことが知られる。
花鳥図
伝 雪舟筆
もとは6曲の屏風であったもの。絵のつながり具合から2~4扇目と考えらる。中央の水辺の岩上に眠る雁と飛び立つ雁(右)、舞い降りる雁(左)で3幅を構成する。芙蓉、葦、松のほか、背後には雪山が描かれている。絵の具の落剥がすすんでいるのが惜しいが、伝雪舟筆の他の屏風の図様との共通点も多く、好資料である。