いわみ美術回廊

VOL03

しまねバーチャルミュージアム-いわみ美術回廊

 江戸時代の末期に活躍した浮世絵師、葛飾北斎(1769-1849)。生涯に描いた作品はおびただしい数にのぼり、その作品は国内をはじめヨーロッパの画家たちにも多大な影響を与えたといわれている。北斎の作品「北斎漫画」の初ずりが発見された津和野に、当地出身の北斎研究かが開設したこの美術館には、北斎の版画、版本、肉筆画、書簡等の資料と門人の作品などが収蔵展示されている。

収蔵品のご紹介

「冨嶽三十六景」凱風快晴

゛赤富士゛ともよばれる作品である。夏から秋にかけての早朝の僅かな時間、朝焼けに赤く染まるという富士の厳しく気高い山容を捉えている。尚、このシリーズは当時も好評であった様で、10図が追加されて、全46図で完結している。

月見る虎

やや上向きに天空をみつめている虎の面貌は、温順なものである。目と鼻に用いられている僅かな黄と藍を除いては、全体が淡彩で地味な色調にまとめられており、一段と穏やかで静寂な雰囲気をかもし出している。