故今井久祥がコレクションしてきた絵画、陶器、工芸品の中から、その折々に応じて日本画、洋画、屏風絵、掛軸、そして韓国の青磁、白磁、三島を中心とした陶器を展示。また企画展として、他の美術館との作品の交流や島根県ゆかりの画家の作品、新進芸術家の個展等も開催する。又、単なる作品紹介の場にとどまらず、次世代をになう子供たちの新しい発見・感動の場として、多くの人たちの憩いの場を目指している。
収蔵品のご紹介
火焔奏楽(かえんそうがく)
宮廻正明(日本美術院同人)
トルファンの火焔山に取材する作品。赤い土に残る無数の轍が、音楽を奏でるように重なり、交わり、続いていく。果てなく続く轍と、対象と距離をおく宮廻の旅人らしい視線が、人の営みの連続性と普遍性を感じさせる。
キング
西田俊英 (日本美術院同人)
柔らかく空気に浮かぶ羽根、力強く大地を掴み蹴る足。強かで気品溢れる孔雀である。人物の人生観や生命の真理などテーマ性の強い作品を描いてきた画家が、伝統的な日本美に挑戦した、ターニングポイントとなる作品。
日溜売り(ひだまりうり)
宮廻正明(日本美術院同人)
中国は西安に取材する作品。のんびりと語らう野菜売りと彼らに降り注ぐ光が、日溜 りの暖かさを感じさせる。宮廻は人物を敢て風景の一部として描くことによって、人の営みの一瞬を悠久へと転換させている。