八雲立つ風土記の丘・奈良時代の景観復元
八雲立つ風土記の丘の展示室には、ひときは目を引く大きな模型があります。これは1000分の1スケールで再現された奈良時代・8世紀後半の出雲国府が置かれた意宇平野の模型です。
この中には政治・文化の中心だった出雲国府や出雲国分寺、新造院などの寺院、正倉や豪族居館、山陰道などの、さまざまな施設が作られています。その他にも『出雲国風土記』に記載のある黒田駅や郡家のほか、国府の諸施設で働く人々の居宅や、社なども設置されている。
『風土記』には神名樋野の景観について「東に松あり、三方に並びに茅あり」と記されており、その景観についても忠実に作られています。
模型の中には古墳時代に造られた古墳も表現されています。模型の設定は8世紀の後半ですが、当時も見える状態で存在したと考えられます。少し草が生えた状態で表現されるなど、細部にまでこだわりぬいています。
この検討結果は、島根県古代文化センター『出雲国府周辺の復元研究』(島根県古代文化センター調査研究報告書43)2009年に詳細に記されていますので、そちらをご覧ください。