松江市

鹿島歴史民俗資料館 発掘された海の記憶

松江市鹿島町は海に開けた土地で、古くから人々が暮らしてきました。佐太講武貝塚はヤマトシジミを主体とする西日本最大の縄文時代前期の貝塚です。鹿島歴史民俗資料館では、発掘調査で見つかった長さ約7m、厚さ最大約1mの貝層の剥ぎ取りパネルを展示しています。

弥生時代前期の堀部第1遺跡と古浦砂丘遺跡は、大陸にルーツをもつ開拓者たちの集団墓です。堀部第1遺跡では石を積み上げた墓の中に木棺が良好な形で残っていました。古浦砂丘遺跡出土の子ども用の貝製の腕輪には南方産の貝を使用したものもあります。

弥生時代後期から古墳時代には鹿島町内の遺跡数は激増します。古墳時代前期の奥才古墳群で使われる礫敷きの棺は日本海側に多くみられ、また、岩手県久慈産の琥珀の勾玉や小児埋葬に畿内の土器が用いられるなど海上交通を利用した活発な交流が行われたようです。

ユネスコ無形文化遺産の佐陀神能は、鹿島町の佐太神社で9月の御座替祭で行われる神事舞です。約400年前に神官がそれまでの神楽に能の要素を取り入れて整えたといわれています。大蛇退治の演目では、一人の舞手が16の眼を刻んだ大蛇面をつけ、八つの頭を持つ八岐大蛇を表します。佐陀神能のビデオ鑑賞もできます。