海士町

島民に親しまれる体験型文化施設・村上家資料館

村上家は隠岐にご配流された後鳥羽上皇のお世話をしたと言い伝えられる島を代表する旧家です。海士町では、この村上家の邸宅を村上家が所蔵していた古文書を展示する資料館として2014年3月に開館しており、2016年にはしまね景観賞奨励賞を受賞しました。邸宅および所蔵している古文書は、町の指定文化財(有形建造物)にも登録されています。

 

 

館内は、村上家に関する古文書が展示されているほか、慶長14(1609)年に京都から海士へ配流された公家・飛鳥井雅賢との交流を偲ばせる蹴鞠に関する品々や、京都で後鳥羽上皇に仕えていた公家・水無瀬家との交流を示す品物および後鳥羽上皇ゆかりの品なども展示されています。

 

かつて村上家が地域のこどもたちに読み書きを教える「茂松館」という私塾を開いていたという歴史を鑑み、島内の小学生が放課後に通う、現代版の寺子屋教室を運営しています。

 

地域に親しまれる体験型文化施設として、毎年資料館庭園にて村上家に伝わる年中行事「ねんげつさん」イベントを実施し、村上家資料館の恒例行事として地域にも根付いています。

 

村上家資料館の重厚な雰囲気を活かし、県の無形民俗文化財でもある「隠岐島前神楽」に親しみ、若手後継者を育成する目的で、「隠岐島前神楽公演」を企画・実施しています。かつて地域の有力者が屋敷に神楽を呼び、周辺住民も集まってそれを楽しんでいたという史実をなぞらえ、村上家資料館という空間を通して地域の歴史や文化、風習を体験し、受け継いでいく活動を目指しています。