出雲市

出雲文化伝承館 今に息づく出雲屋敷

出雲文化伝承館は、出雲平野の大地主であった江角家の長屋門や母屋、庭園、松平不昧公ゆかりの茶室「独楽庵」、現代建築の茶室「松籟亭」、美術工芸品の展示施設などがある博物館です。
敷地の北と西側には、冬の強い季節風を防ぐための屋敷林「築地松」を配し、この地の典型的な屋敷構えを今に伝えています。
屋敷に上がり庭を眺めながら、悠久の時間の流れをお楽しみください。


出雲屋敷(出雲市指定文化財)は、1896(明治29)年に建てられた江角家(斐川町)の母屋を移築したものです。南に面する大戸口を入ると、広い土間に立派な欅の大国(黒)柱、また重厚な黒松の梁組が屋敷の風格を物語ります。建物の南側は書院と座敷が続く三間造りで、出雲流庭園が見渡せます。


当館の出雲流庭園(出雲市指定文化財)は、典型的な出雲流の平造り枯山水の回遊式庭園です。出雲地方特有の築地松を廻らせ、主木のクロマツに常緑樹を添え、長大な短冊石や飛石を配しています。また蹲や手水鉢など茶庭の要素も取り入れています。


独楽庵(復元)は、大名茶人として著名な松江藩七代藩主・松平不昧によって大切に護り伝えられた名席です。露地庭は三関三露と称される導入部を配し、不昧公の茶の湯に対する美意識が反映されています。