松江市

モニュメント・ミュージアム 来待ストーン 昭和の名工・新出九一郎の作品

来待ストーンでは、「昭和の名工」と謡われている新出九一郎(にいでくいちろう)の作品を収蔵・展示しています。

 

新出九一郎は、1889(明治22)年生まれの石工です。松江の石文商店で働いた後、20代半ばで独立しました。戦時中の建物疎開によって自宅と作業場が取り壊されると、戦後は近隣の石材店へ出向いて石工の仕事を行うようになりました。

 

昭和20年代半ばからは、来待地域でも石工の仕事を請け負うようになりました。来待石の採石と出荷を主な仕事としていた来待周辺の採石業者の間で、来待石を製品に加工して出荷する「地元加工」の必要性が唱えられるようになり、加工技術を学ぶために九一郎が招かれたのです。

来待石の加工技術を来待地域に伝えた九一郎は、「来待の製品加工技術の恩人」とされています。九一郎は、1969(昭和44)年に80歳で他界しましたが、亡くなる数日前まで鑿(のみ)を振るい、石工の仕事に携わっていたそうです。